『ピンクちゃんから、交換日記の返事が来ないってどれぐらいなんですか』スカイ君の質問に
『一週間ぐらいかな』と僕が答えると
ゴン太とスカイ君は拍子抜けしたように
『………』と黙り、
顔を見合わせて、苦笑した
『んー、一週間だったら、問題ないじゃないっスか。
メールとかならともかく、交換日記だし…
桜野だって忙しいっスよ。そういえばあいつ、実家に帰るとか言ってたし』
『ああ、ピンクちゃん、桜の花びらの精って言ってたからね
人間界から一時、離れる時間が必要なんじゃないかな…』
『おいおいおいおい、君たち目を覚ませ、
ピンクちゃんは
花びらの精じゃないから、実家にも帰らないし
人間界から逸脱することもないんだよぉぉぉぉぉ』
確かに抱っこすれば、人間としての重さをほとんど
感じないほど体重が軽いけど
長い間抱きしめていると
ぎゅーーーーーーっと彼女の肉体としての重みが自分の腕にのしかかってきて
あの幸せは一言では言えないんだ…
僕の抱きしめる力にすこし耐えきれなくなったピンクちゃんが
『んっ…』とか色っぽい唇から可愛い声を漏らすたび、
少しだけ、眉を困らせて切なそうに悶えるのを見るだけで
可愛くて、愛しくて、
はあ、思い出しただけで溶けそう、
ピンクたん…ちゅーして抱きしめたいよぉぉぉぉぉぉ
『俺の中にピンクちゃんが不足しているんだよぉぉぉぉぉぉ
あいつ、日記書いたらその日のうちか次の日か、遅くても三日以内には
必ず持ってきてくれたのに
一週間も…、
一週間も
一・週・間っ…も待たせるなんて…』
『ピン太先輩…あの…ごめんなさい』
『あー、俺、おかしくなってきて、スカイ君の声が
ピンクちゃんの声に聞こえてきた…
スカイ君、ピンクちゃんの声真似したって無駄だぞ
俺はだまされない』
『いや、その、ピン太先輩…桜野、後ろにいるっスよ』ゴン太が
落ち着かせようと、僕の肩をポンポンっとたたくと、
僕はびくっと体を震わせた
『ゴン太まで…二人してグルになって』僕が涙で振り向いた直後
僕の世界一、宇宙一、愛しい人の顔がそこにあった
『…………!!!!!!! 俺はピンクちゃんの幻覚まで
…ぐわっ…』ふらっと貧血を起こしかけた僕をゴン太が後ろから支え、
『ピン太先輩、落ち着いてください、正真正銘のピンクちゃんだから』
とスカイ君が僕の顔をのぞき込んだ
続けて、ピンクちゃんも心配そうにのぞき込む
『先輩、ごめんね…。ピンク、桜の精だから
桜の樹のお母様に会うために実家に帰ってたんです
スカイ君やゴンちゃんには話していたんですけど…先輩とは
学年も違うし、なかなかお話する機会がなくて…。
この間、先輩が日記帳を渡してくれたとき、そのことお話しようと
思っていたんですけど
先輩、じゃあな❕って言ってすぐ立ち去っちゃったから…』
『そ…そうなのか…俺こそ、すまなかったな…』
確かにあの日記を書いた後、僕は何となく居たたまれなくて
すぐ立ち去ってしまったんだった…
うう…情けない…
『実を言うと、今日、僕がピンクちゃんを呼んだんです
ピン太先輩から呼び出されたとき、
何となくピンクちゃんと何かあったのかなーって
勘づいて…ねっ、ゴンちゃん』スカイ君がゴン太と目配せしながら
優しく言った
『まあ、ピン太先輩の考えてる事、十割は桜野のことっスからね…』
ゴン太は、少しホッとしているようだった
『じゅうわり…❔』ピンクちゃんは、
つぶらな瞳をぱちくりさせながらつぶやくのを見た瞬間、
『ピンクーーーーーーーーっ』僕は、もう我慢できなくなって
ピンクちゃんをぎゅーーーーーーーっと抱きしめていた
十割は大げさだけど………、大げさじゃない❣❣❣❣
ほぼピンクちゃんのことしか
考えてない…
一週間ぐらい、返事をもらえなかったことぐらいで
へこむなんて
こんな自分、情けなくて、どうしようもなくて
ダメ男だって自分でも認識してるけど
これが俺の素直な気持ちで…
ピンクちゃんを失いたくなくて…何で、狂おしいほど
こんな気持ちにさせられるんだろう…
自分でもわからない
『先輩ぃ…もぉー、ゴンちゃんとスカイ君が見てるのに…ピンク恥ずかしいなあ
…あっ…んっ……』
ピンクちゃんに何と言われても、僕は抱きしめる力を弱めるつもりはなく、
ぎゅっ、ぎゅっ…とさらに強度を増していた
『あはは、いいよ。僕とゴンちゃんは二人でこれからデートするから。
ねっ、ゴンちゃん』
『おいおい、スカイ…語弊があるだろ。まっいいや。じゃあな、
ピン太先輩、桜野と仲良く』
ゴン太とスカイ君は、僕たちに気を遣って
早々とそこから立ち去った
うさぎ☆ピンク☆
PS
俺、いい友達(というか、後輩)持ったなあぁぁぁぁ、ありがとうスカイ君、ゴン太…
続き、
八月中にまとめると言ったのに
すまないっ(´;ω;`)ウゥゥ
もうとっくに新学期
ピンクちゃんのおっぱいの話なんて、想像以上にデリケートで
どうまとめていいかわからなかったよ
(ドヤ顔で言うな俺)
次回☆彡つづく🌻